とある日、私は珍しくお母様に呼び出されて部屋を訪ねていた。




「えっ?お茶会ですか?」


「ええ、そろそろ招待状を出さないといけない時期なのよね」




お茶会というのは各国の王妃、王女を集めた毎年の恒例行事なのだそうだ。
今まではお母様1人で出席していたけれど、今年からは私も一緒に出席させるみたい。
春に行われたパーティーで私の存在がどうやら国外まで知られてしまったらしいのだ。





「もうすっかり皇女として板についてきたみたいだし、何も心配はいらないわ。私もいるんだし、堂々としていればいいわよ」




そう言っていつも通り飄々とした態度で笑うお母様。

…さすがオーフェリアの皇后。

いつもはお茶目でにこやかに振る舞っているけれど、物怖じしない堂々とした姿にとても尊敬する。




「分かりました。では招待客について教えてください。招待状を書くのと、各国の来賓について下調べしておきますわ」


「本当に真面目な子ね。…はい、これ。その紙に各国の王妃、王女のリストが載ってあるわ。あと招待状の方は大丈夫よ。私の方でやっておくから」


「ありがとうございます、お母様」




また新たなミッションが与えられたような気分だ。
身分の高い人は毎日お茶を飲んで優雅に過ごしているイメージだったけれど、皇女に戻った時からそのイメージとはまるで逆だ。
その身分なりにやることはあるのね…。