その後訓練場に戻ると、剣を飛ばしてきた騎士に土下座され、ものすごく青ざめた顔で謝られた。
まあ皇女が怪我をするところだったのだからその謝りようはすごいものだった。
私は気にしないように何度もいさめてようやく顔を上げてくれた。

そして側にいた令嬢たちもすごく心配して駆け寄ってくれたし、しばらくごたついていたけれど、ジョシュアとその父親である団長の力もあってか意外とすぐにその場を収めることができた。






「大変な目に遭いましたね…。でもジョシュア様が身を呈して守ってくれるなんて素敵なお話ですわ」



ラナは安心したように言うと、ニコニコしながら私の髪の毛をとかしてくれていた。




「傍から見ればね。実際体が震えるほど怖かったんだから」


まさか剣が自分目掛けて飛んでくるなんて考えられなかったから余計に。




「…して、ジョシュア様の剣を振る姿はちゃんと見られたのですか?」


「うん…格好良かったよ。彼…人が違ったみたいに見えたわ。やっぱり将来は騎士団長を継ぐのかしら」


「そうですね…アディンセル家は代々剣術に長けた名門家ですし、その可能性は高そうです」