「それじゃあ早速向かいますか!さ、皇女様、お手をどうぞ」


「ありがとう」



わざわざ私のために馬車を用意してくれたみたいで、私は傘を折りたたむとジョシュアの手を取り乗り込む。

当然のごとく彼も同じ馬車に乗り込んで車内で私たちは2人っきりになる。




「(わぁ…立派に鍛えられた体をしているのね…)」


私は真正面に座るジョシュアの腕を見て、1人で勝手にドキドキしていた。

こんなにジロジロ見るのは悪いと思いながらも、やっぱりほどよく筋肉のついた男性の体は魅力的だ。

何だか触ってみたくなるけど、ちょっと下品よね…。




「ん?そんなに見つめてどうかした?」


「う、ううん!何でもないのっ」



私は慌てて首を横に振る。

ちょっと体を触らせて?…なんて言えるはずがない…。




「もしかして…オレの筋肉に見とれてただろ?」




「えっ!?そっそんなことはないわ!ただちゃんと鍛えてるんだなぁって思っただけよ」



完全に図星だ…と思いながら私は気まずくなってそっぽを向くけれど、ジョシュアはそんな素振りも見せず私の隣にどかっと座る。




「ほら」


彼は私の手を取るとすっと自分の腕へと当てた。

私は一瞬ドキッとするが、すぐに彼の筋肉の素晴らしさに虜になっていた。

つやつやとした健康的な肌にほどよくついた筋肉がついている。
思ったより太くてしっかりしていて、男性としての魅力を直に感じてしまう…。