「あ、シャルロット、口調」


「あっ」



私はジョシュアに指摘されると、思わず自分の手で口を覆った。

私ってば自分で言ってる側から…。

それにしても私を"シャルロット"と呼び捨てで呼ぶのはお父様とお母様くらいだからジョシュアに初めて呼ばれて胸がトクンと高鳴る。




「ごめんなさい、ジョ、ジョシュア?」


「そうそう、その調子!」



褒められると彼の手が私の頭にポンポンと乗った。
爽やかなその笑顔に私もつられて笑ってしまう。





「おい、そこの長い棒さん!突っ立ってないで改めて挨拶してみろよ!」


「俺は長い棒ではない!」



たぶんエヴァンが長身だからそう呼んだのだろうけど、私は思わずくすっと笑ってしまった。




「では…これからよろしく頼む、シャルロット」


「はい…エヴァン」




見上げるとなぜか惹かれてしまう金色の瞳…。

すると脳内にあのパーティーでの出来事が浮かんできて一気に赤面してしまった。

はっとした私は気づかれないように後ろを向いて一生懸命手で顔をあおぐ。




「…?どうかしたのか…?」


「いっいえ!何でもないです…じゃなくて何でもないわ!…さ、お部屋と皇宮を案内するから早く行きましょ」


「おう!オレ皇宮見学、1度してみたかったんだよな〜!だってオーフェリアの皇宮だぜ?ワクワクするな〜!」


「……」



お気楽なジョシュアと黙ってしまったエヴァンの先頭を歩く。
早くこの火照りとドキドキが収まるようにと早足で皇宮内を歩くのだった。