「ではシャルロット、2人を部屋までご案内しなさい」

「はい、お父様」

「ついでに皇宮を案内して差し上げたら?ね、あなた」



お母様が含みのある笑みを浮かべてお父様を見つめる。
私には…というか弟2人にもその笑みがどんな意味をもつのか分かってしまっていた。



「ははっ、そうだな。シャルロット、頼めるね?」

「かしこまりました」



そう言い残すとお父様たちは皇宮内へと戻っていく。

するとアレクシスだけくるっと向きを変えて、ニヤニヤしながら耳打ちしてきた。





「俺がいなくて大丈夫ですか?」


「なっ、何を言ってるの!これくらい大丈夫だわ!さ、早く行きなさいよ。もうアレックスも戻ったわよ」


「はーい」



アレクシスはまだニヤニヤしながら皇宮内へ戻って行った。

弟にからかわれるなんてまだまだだなぁ…なんて思ってしまう。

アレックスはまだしもアレクシスは手強い相手だ。

私は去っていくアレクシスの背中にふんっと少し怒りつつ、



「(いつか見てなさいよ…私が一皮剥ける姿を…!
)」



なんて思ってしまうのだった。