それからしばらくの時が経ち──────

令息たちからの手紙の返事を何とか書き終え、エヴァン様とジョシュア様にも婚約者候補になっていただく旨の手紙も送り、今はその返事が丁度きたところだった。


ドキドキしながら手紙を開くと、2人とも返事は"もちろんYES"だった。


私はほっと胸を撫で下ろした。
緊張しながら手紙を書き、送ったはいいものの、あの時のパーティーの出来事は夢なんじゃないかと思っていたから…。



そして2人からの手紙の内容を知ったお父様は早速ある準備に取りかかった。


それは、エヴァン様とジョシュア様を帝都…そして皇宮で過ごせるように手配していることだ。


婚約者ならまだしも婚約者候補となればどちらかを選ばなければいけない。
そのため2人となるべく過ごせるようにと特別にお父様が許して下さったのだ。






そして約束をしていた3日後──────

夏本番を目前に控えたよく晴れた日だった。



2台の馬車が同時に皇宮に到着する。

その瞬間を見つめていた私は急いで城門へと向かい走った。




「皇女様!皇宮内を走るなんていけません!」



後ろからラナが止めようとするけど…。



「(ごめんねラナ。今だけは許して…!)」


皇女として絶対にいけないことだってもちろん分かってる。
でもはやる気持ちを抑えきれなかった。
あのパーティー以来会っていないのだから浮き足立つのは当たり前だと思う。