「皇女様…俺の婚約者になってください」


「えっ…」



婚約者って…将来を誓い合う仲のことよね?

私が彼の…?




「で、でもそんな急に言われても…!それに私はまだ結婚なんて考えられません」



今日初めて出会ったばかりの男性にすぐにはいと返事ができる訳がない。

急な求婚に私は再び頭が混乱する。



「すぐに…という訳ではありません。俺も皇女様のことをまだまだ知りませんし、これからお互いのことを知っていきましょう。そうしたら、先程の皇女様の答えも分かると思いますよ」


「エヴァン様…」






「ちょっと待て。抜け駆けはずるいなぁエヴァン」




私たちはハッとして声のする方を見ると、そこにはいつの間にかジョシュアが立っていた。

すると彼は自信に満ちた表情でつかつかと私の方へ歩いてくると、突然跪いて隣にエヴァンがいるのにも関わらず、私の手の甲にキスをする。



「!!!」



思いがけない行為に私はまた頬が赤くなるのを感じた。

きっと耳まで真っ赤になっていることだろう。

外の空気に慣れてしまった肌はその火照りを抑えることができない。