「いや本当にその通りだな!悔しいけどアレクシスの女を見る目は確かだから」
なんてジョシュアはつまらなさそうに答えた。
私は初対面の2人に対してこんなにも気を使っているというのに…。
「じゃあそんな美人の姉上とダンスする権利を与えよう」
「ア、アレックス!そんないきなり…!」
追い討ちをかけるかのように静観していたアレックスが思いもよらない言葉を投げかける。
終わった…。
と、絶望にも近い面持ちでいるとアレックスが近づいてきた。
「何のために俺たちとダンスの練習をしたんですか。大丈夫です、姉上なら」
3人に聞こえないようにそっと耳打ちしてくるアレックス。
その言葉を聞いて私はハッとした。
そうだ。
何のためにあの練習はあったんだ。
こういう時のためじゃないのかシャルロット!
私はアレックスの言葉に勇気づけられて、彼の瞳を見て頷いた。


