良かった…。
まだ本気で結婚のことは考えてないみたい。
それにしてもさすがお母様。
貴族のことなら何でも知っていて助かる。
にしてもあの2人が意外と身近な存在だなんて気づかなかった。
…それもそうか。
毎日部屋にこもってレッスン続きだったからね。
そう思いながら4人の方を見つめるとふとアレクシスと目が合った。
すると彼は不敵な笑みを浮かべて私の方へ向かってくる。
しかも他の3人を連れて。
ま、まさか私とあの2人を会わせる気…!?
で、でもいつかは通らないといけない道…!
それが今日だということだけ。
私は覚悟して席から立ち上がり、広場へと足を進めた。
俯いていて気づかなかったけれど彼らの歩くスピードが私が思うより早く、早々に対面する形になってしまった。
「…っ」
一瞬全身に鳥肌が立ったけど、表情だけは何とか崩さないでいられた。
双子がいるからというのもあるけれど。


