そして1週間後──────。

あれからあっという間にパーティー当日がやってきた。
パーティーは夕方からだというのに朝早くからラナに起こされ、今は身支度をしている最中だ。
今日の主役は私というだけあって侍女たちの気合いの入れようは凄まじいものだった。

そしてお母様まで…。
この日のためにわざわざ新しいドレスを新調してくれたのだ。
それはありがたいことだけれど、庶民感覚のある私にとってはこんなに贅沢をして勿体ないと思ってしまう。
普通に皇女として生まれ育ったならこんなことは思わないはず。
ましてや新しいドレスの1着2着増えることなど普通のことなのだろう…。


そんなことを考えているうちに徐々に着飾られていく自分を鏡越しにまじまじと見つめる。

ドレスは細かい花の刺繍が施されたマーメイドラインのドレス。
胸元や背中も広く開いていて大人っぽいデザインだ。
普段はこのようなデザインのドレスは着ないのでとても新鮮に感じる。
そしていかにもお母様が選びそうなデザインだなと思って少し笑ってしまう。



「皇女様、ドレスの着付けが終わりました」


「ありがとう」


やっとドレスを着終わると、私は鏡を見ながら左右にまじまじと見つめた。

うん…。
我ながら似合っていると思う。
きっとお母様の見立てが良かったのかもしれない。


ただちょっとした問題が1つ…。