「(あ…黄金の木についてラナは何か知っているかな…)」


皇宮の侍女副長だし、絶対何かしら知っていると思って質問してみることにする。


「ねえラナ。私さっき黄金に光る木を見たのよ。とっても珍しかったから何の木なんだろうと思って」



「まあ…ご覧になったのですね。あの木は"ゴールドヘア"といって大陸で唯一ここにしかない木です。とても特別な木なんですよ」



「ゴールドヘア…」



確かアレクシスもそう言っていたような…。



「私もこの前初めて拝見しました。何故かと言うとあの木は私と皇女様がいなくなってから植えられたものらしいのです」


「そうなの…でも特別って何か意味があるの?」



私が1番知りたいのはその部分だ。
身を乗り出すように食い気味にラナを見つめると彼女は少し微笑んでから動かす手を止めて私に向き直り、丁寧に説明してくれた。



「ゴールドヘアはその名の通り金の髪。皇女様のその髪の毛1本を一緒に植えられたそうです。なんでも神のお告げを聞いた神官が祈ると、あのようなすべて黄金に輝く木になったようなのです。なぜ植えられたのかというと、皇女様が無事に16歳になり、オーフェリア帝国へ帰ることができるよう祈りの場として作られたそうですよ」



「じゃああの木は私のために…」