その後、ティータイムの準備をすると言ってラナは一旦皇宮へ戻って行った。
しばらく時間もかかると思った私は周りの庭園を少し歩いてみることにした。

舗装された小道を進むと小鳥たちのさえずりが聞こえてくる。
木々からこぼれる木漏れ日も優しく、暖かくて気持ちがいい。


「(この感じ、懐かしいな…。よくラナと一緒に森を散歩してたっけ)」


2度と戻らない懐かしい日々を思い返しながら更に足を進めると、少し開けた場所へたどり着く。

すると目の前には厳重な囲いがされてある1本の美しい木があった。



「この木は…」



私がまず驚いたのはその見た目。

木の根、幹から葉まですべて黄金に光り輝いているのだ。

上を見上げると金色の葉と太陽の光で反射して、思わず目をつむってしまうほど眩しい。
…けれど吸い込まれるようにその黄金の木に釘付けになってしまう。


「こんな木、初めて見るわ…。異国の木なのかしら…」


私はゆっくりと木に近づくと、興味本位で幹に触ろうとした。



その時…。