「私…婚約者を…エヴァンに決めました…」





「…そうか。ようやく決めたんだな。ちゃんと報告してくれてありがとな」






「え…」






意外な反応に驚く私。

だって彼はショックを受けるわけでもなく、平然と微笑んでいたから。





「実は薄々気づいてたんだ。シャルロットはエヴァンに気があるんじゃないかって。結構前から考えていたから今更残念がったりしないよ」


「ジョシュア…本当に、ごめんなさい…」





1番泣きたいのはジョシュアなはずなのに私だけが泣いてしまっている。

今までたくさん話をしてくれた、気軽に接してくれた…そんな彼には罪悪感でいっぱいだ。





「私、気づいたの。エヴァンとジョシュア、2人とも好きなのに何が違うのかを…。それはね、私、ジョシュアのことは兄のような存在で好きなんだって」



するとジョシュアはくくっと笑みをこぼした。




「そうか!それじゃあ今日から俺はシャルロットの兄ちゃんになってやる。今までみたいに困ったことがあれば俺に話してよ。だからそんなに泣くな。せっかく綺麗にした化粧が落ちちゃうだろ?」




そう言って私の目線に合わせて頭をポンポンと撫でてくれる。


彼は本当に優しい人だ…。





「あ、でも今日のダンスの相手はしてくれるよな?」


「ええ、もちろんよ。…ありがとう、ジョシュア」




私はこぼれた涙を拭うとめいいっぱいの笑顔で答えるのだった。