「…っ!ジョシュア…」







私が会わねばならなかった人だ。

私は双子たちに見つからないように咄嗟にかどの奥へジョシュアを導く。





「今日の主役様がこんなところにいていいのか?それとも忘れ物でもしたか〜?」




ジョシュアは私が泣きたいほどいつもの調子でそんなことを言う。

今からとても大事なことを言わなきゃいけないのに…。





「ジョシュア…あのね、私…あなたに言わなきゃいけないことが…」





私のいつもの雰囲気と違うのが分かったのか、ジョシュアは黙って私の言葉を待つ。




ほら私、早く言いなさいよ…。




そうやって自分の背中を押すように気持ちを前に出そうとするけれど、言葉に出てこない。

頭ではきちんと分かっているはずなのに声が出ないのだ。






「何?何か困ったことでもあったか?」





優しい口調のジョシュアに、私の目からは勝手にポロポロと涙が溢れてくる。

泣かないって決めたはずなのに、こんなにも意思が弱い人間だったのかと思うと更に泣けてきた。





「どうしたんだよ。…ほら、俺は待ってるからちゃんと言葉にしないと分からないだろ?」




そう言いながら彼は優しく涙を拭ってくれる。

私は彼を見上げると、今度こそしっかり目を見て声を出した。