私はロレッタ様の話を聞いて心のモヤモヤが少し晴れたように感じて、思わず興奮気味に彼女の手をがしっと掴んでしまった。




「こ、皇女様!?」


「ありがとうございます、ロレッタ様!恋…私にはそれが何だか分かりませんでした。でも今のお話を聞いて私の気持ちも整理できそうです」




すると驚いた表情のままだった彼女もにこやかな笑みを浮かべて嬉しそうにしてくれた。





「お役に立てたようなら何よりです」





そう言ってお互い微笑み合っていると、不意に部屋の扉が開かれた。







「どうやら姉上の相談相手にロレッタ様を選んで正解でしたね」







得意げに笑みを浮かべて立っていたのはアレックスだった。




「アレックス!あなた今までの話聞いていたの!?」


「いえ、途中からですよ。すみません、姉上の話に興味があったのでつい」





姉のこんな話に興味があるなんて悪趣味…などと思ってしまった。
アレックスの話は本当かどうかは分からないけれど、たぶん本心では早くロレッタ様に会いたかったのかもしれない。

私はやれやれと小さくため息をつきながらラブラブな2人が揃ったことで席を立つ。





「アレックス、ありがとう。おかげでロレッタ様と有意義な時間を過ごせたわ。あとはお2人でどうぞ」




私はアレックスの肩をポンポンと軽く叩いてからロレッタ様に一礼して、手をヒラヒラと振りながら部屋を後にした。




それにしても恋か…。




私は一体どちらに恋をしているんだろう…。

私は生まれてから今まで1度も恋というものをしたことがない。

それがどんな感情なのか…エヴァンとジョシュアの2人との今までの出来事を思い出してみるけれど、どちらにもドキドキするし、好きだなって思う。




でも1つだけ違うことがある。




エヴァンといる時とジョシュアといる時…。




何だか違うドキドキがあるということ…。




果たしてどちらの感情が恋なのか、それは考えても考えても分からなかった。