そんな余韻に浸っていると、私の周りには侍女たちがぞろぞろと集まってきてあっという間に囲まれてしまった。

「な、なんですか…?」

困惑している私とは対照的に、ラナは若い侍女たちに何やら次々に指示を出しているようだった。

そしてそれが終わったのか、ラナはようやく私に向き直す。


「皇女様、お疲れのところ申し訳ないのですが、これから皇帝陛下や皇后陛下方ご家族との謁見がございますのでご準備をお願い致します」

「準備って、謁見って…あっ、ラナ待ってー!」


何が何だか分からないまま、私は侍女たちに皇宮内の部屋へ案内され、ドレスを着せられ、化粧も施し、鏡で自分の姿を見る頃には見た目はすっかりお姫様になっていた。


「これが…私?」


今まで着たこともないような高そうなドレスに身を包み、本物の宝石のアクセサリーをつけている自分を鏡越しにじーっと見つめていると、侍女たちは後ろできゃあきゃあと騒いでいるのが聞こえる。