真実の言葉を、心の中で反復する。 「矢島悠斗は、サナの事好きなのかもね」 はたして本当にそうだろうか。 矢島悠斗と時間を過ごす時に、そう考えると、なんだか少しだけ違和感を覚える。 その日は、何の予定もなく過ごした一日だった。 まだまだ明るいけど、夕方も4時を過ぎれば、街はだんだんと終わりの気配が漂ってくる。 そんな時、携帯が鳴った。 メールではなく、電話。 かけてきたのは矢島悠斗だった。