「…わ、私も初めて本命チョコあげたの」



花莉はちらりと俺を見つめて、花が咲いたような可愛い笑顔で笑う。




ドキっと心臓が大きく跳ねた。
その笑顔があまりにも可愛すぎるから……





俺は自分の心を落ち着かせるために一呼吸。





「大事に食う」


「…うんっ!」





それから箱の中に入っていた小さ木製のフォークを使って、ガトーショコラを一口、口へと運んだ。





口の中に広がっていくのは濃厚なチョコ。

やっぱり思った通り…というかそれ以上に





「美味い!!!!」





頬が緩む。
こんなに美味いチョコは初めてだ。





花莉は俺を見て、ほっと安心した表情。




「…あのね、ガトーショコラ初めて作ったの!よくできたかすごく心配だったんだぁ…!!」


「まじで!?超美味いから食べてみろよ!」





初めて作ったとは思えないほど美味い。
だから花莉にも味わってほしくて、あーんとガトーショコラを一口、彼女の口元へと近づける。