心臓が激しく暴れ出す。
本命チョコ。
好きな子から……彼女からの。
紙袋を受け取ると、花莉はほっとした表情になる。
「じゃあ、私は、これで…」
それから彼女は後ろをくるりと振り返ってすぐに部屋を出ていこうとする。
だから俺は彼女を逃がすことはせず、握った手を離さないで、強く引き寄せた。
俺の腕の中にすっぽりとおさまる彼女。
「…っ!!!」
嬉しすぎて、可愛すぎて…好きすぎて、ぎゅっと強く抱きしめた。
「ありがとな、花莉」
「…うんっ!」
「…今食ってもいい?」
「い、今!?」
「すこーしだけにする」
「…ひ、一口だけなら」
花莉から許可をもらい、俺は抱きしめていた彼女を離す。
…ずっと抱きしめていたいくらいだったけど。チョコも気になる。
花莉はこのまま逃げてしまうかと思ったが、にこにこしながら俺の隣へと座った。
俺の隣……ベッドの上。