王太子の愛


書斎には色々な本が置いてあった。
屋敷にいる時も、基本的に何も出来ないのので本ばかり呼んでいた。

だか、ここに置いてあるような、歴史の本や、国内情勢の本ではなく、おとぎ話や恋愛物の、本ばかり読んでいた。

興味津々に本棚の本を眺めていると

「読みたかったら読んでいいよ」

「!?いいのですか?」

「言ったでしょ?好きにしていいって」

なんて嬉しいことだろうか。
今まで勉強とか作法とかも一切教えてもらったことは無い。唯一文字の読み書きぐらいはさせてもらった。

けど、自分のいる国なのに国のことは何も知らない。と言うより、私は世間を何も知らないのだった。

だからこれで、勉強出来ると思うととても嬉しかった。