(これじゃあ、屋敷にいる時と同じね……。)

屋敷にいる時はほとんど部屋から出ることが許されていなかったのにいつも厳重に護衛がついていた。

今思えばあれは、護衛ではなく見張りだったのだ。大事な商品が逃げ出したりしないように…。

「クラウス様、お茶にしよ♪」

そう言ってメラが入れてくれたお茶に手を伸ばしたのだった。