「情報だとクラウス、君はトリトン男爵に売られたとなっているのだけど…ほんと?」

(そんなことまで知っているなんて.......)

私は素直に頷いた。

「そうだったんだね。
トリトン男爵について知っていることを教えてくれる?もちろん、この事件が終わったら君のことはちゃんと家に帰すよ!
そうだ!家はどこなのか聞いてなかったね?
この国の出身?それとも、他の国から連れてこられたの?」

彼らは私がトリトン男爵の娘であることをまだ、知らないらしい。
ここで娘だと言えばどうなるだろうか?
罪人の娘だ。もしかしたら牢に入れられてかもしれない。もっと言ったら死刑になる可能性だってある。