「ここは、王城の客室だよ」
オルレイン様達はそう言ってベットの方へ近づいてきた。たったそれだけであったが昨日の事が頭に過り私は、身体をビクリと大きく震わせてしまった。
「怖がらないで、俺たちは君に危害を加えたりしない。ただ、あのオークションの事について何か知ってることがあったら教えてほしくて…。」
「え?」
「実は昨日の会場にいた貴族たちはみんな捕まえたんだけど、経営者のトリトン男爵が姿を消してしまったんだ。
彼は何年も前から違法オークションを経営していて、今まで捕まえて売った人の数は2000人以上。しかも彼自身もオークションで買って小さな子供から大人までが奴隷として働かされているんだ」
トリトン男爵…。
それは私の父の事だ。
