王太子の愛


オルレイン様は私を本当に抱きかかえたまま馬車に乗り込んだ。

馬車に乗ってからも私を離してくれる気はないみたいで、彼の膝の上に横向きで座らせられている。そして、私を抱きしめながら

「王城までしばらくあるから少しお休み、着いたら起こしてあげる」

そう言って頭を撫でてきた。
殺されるかもと思いながらも、優しく抱きしめられた温もりと安心感で私はゆっくりと意識を手放した。