王太子の愛


「だから、承認として一緒に王城まで来てもらってもいい?」

私に拒否権などない。
だからゆっくりと首を縦に振った。

「ありがとう」

そう言って彼は私に優しい笑みをみせた。

「早速でごめんね、いまから一緒に来てもらうね」

彼は私をゆっくりと抱きかかえた。
わたしは慌てて自分で立とうとする。

「危ないよ、慌てないで、このまま馬車に乗るからね」

彼は離してくれる気はないみたいでそのまま歩き出した。私は怒らせたら拷問か、殺されかもしれないと思い大人しく彼に身を委ねた。