王太子の愛


「怖がらせてごめんね、もう大丈夫だよ」

そう言って自分のマントを私にかけた。

でも、私はその言葉が聞こえていなくて、ガタガタ震え、泣きながら「殺さないでください」と
連呼していた。

「殺さない!大丈夫だから、落ち着いて、ね?」

それでも、私の震えは止まることはなかった。

「団長、全員取り押さえました!って団長また殺しちゃったの?いっつも出来るだけ殺さないでっていてるのに〜」

外の方から違う騎士が駆けてきた。

「オリバー公爵だ。どうせ捕まえても死刑になってだろうし刃物向けてきたから、面倒で殺した」

「全く、団長ったら」