。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


「戒くん!朔羅ちゃんはきっと奥の部屋よ!助けてあげて」とアヤメさんに言われ、俺は言われた通り走って行った。


扉の前では淫行コーチが何とか扉を開けようとドアノブをガチャガチャさせていたが、俺はそいつの襟首を掴み、後ろに吹き飛ばした。


「邪魔だ!失せろ変態野郎!」


淫行コーチは尻をしたたか打ったのかしばらく動けない様子だ。


俺は扉を蹴破ろうとしたが、響輔が用意した木片でつっかえ棒にしてあるのか扉は若干動いたものの、木がたわんだだけだった。


俺は扉を叩き


「朔羅!俺だ!助けに来た」


と怒鳴ると、ガタガタと音がして鍵が開くのが分かった。中から不安そうな顔をした朔羅が顔を出し、ふらつく足取りで俺の方へ倒れこんできた。


「大丈夫か!何かされてないか」


「うん…でも変な薬のせいで体が言うこと聞かねぇんだよ。これじゃ闘うのも難しい」俺はぎゅっと朔羅を抱きしめると


「ここは俺たちに任しとき。響輔もいるし、隼人もアヤメさんも」


「アヤメさん……?何で?」


「響輔が通報した。んでアヤメさんが駆け付けてきたってわけや」


「そっか……アヤメさんサツだったんだよな…」ぐったりと俺にもたれかかってきた朔羅は力なく腕をだらりと下ろした。その肘から血が滴って手の方まで落ちてきている。


「お前!怪我してるじゃねぇか」


「大した事ない。窓割る為に仕方なく」


くっそ!俺の朔羅にこんなことしやがって。


「響輔!朔羅を頼む」一人の男に強烈なパンチを繰り出していた響輔を呼び戻し、


「分かりました。戒さんは?」


「んなの決まってんやろ!この男を締め上げる」俺はいつの間にか這いつくばって逃げようとしている淫行コーチの背中を足蹴にした。


幸いににもアヤメさんがいる。現行犯逮捕して今まで新垣 エリナにしてきたあれこれを吐かせたるわ。


淫行コーチは響輔と隼人、アヤメさんのおかげでもうほとんど男たちは伸びている状態で、非常に不利な状態だと踏んだんだろう。


アヤメさんが駆け付けてきて


「朔羅ちゃん、大丈夫?救急の要請をするわ」とインカムで何かを指示していた。


やがて全員を伸して満足したのか、或いは遊びを楽しんでいたのか隼人もこちらに向かってきた。


ぐったりと項垂れた朔羅は隼人をうつろな目で見上げると、


「似非医者……」と呟き、首をかくりと追った。


「おい!朔羅っ!朔羅!」