「君たちは裏に回って。もしかしてそこから人質が逃げようとしてるかもしれない」とアヤメさんの言葉に俺たちは頷き、倉庫の裏側に回った。
建物の裏はのっぺりとしていて窓一つない、と思っていたら一つだけ女一人通り抜けられるような窓があった。
その場所が何なのか分からないが、そこから朔羅が顔を出していた。
どうやら朔羅は派手な怪我を負ってないようで、それだけで安心した。
「朔羅っ!」
俺が腕を伸ばすと朔羅も手を伸ばしてきた。手を繋ぎ、朔羅をそこから脱出させたかったが、ガラスの窓は完全に割れていなくて今脱出させるのは危険だ。
響輔がどこからか走ってきて、その手には結構な大きさの木片が握られていた。
「お嬢、もうすぐで助けが来ます。その場所で時間稼ぎ可能ですか?五分程」
朔羅は大きく頷いた。
「とりあえずこれを」と窓から響輔が木片を差し入れ、朔羅はそれを受け取った。
「それで入り口をふさいでください」と響輔は言い、朔羅は慌てて出入口に向かうと、その木片でさらに出入口を塞いだ。
朔羅がどの場所に居るのか分からないが、俺たちも入ってみないと分からない。
またも俺たちは入り口に戻り、隼人とアヤメさんが男たちと戦っている中、一人の男が襲い掛かってきた。寸ででそれを避け男の肩を掴み、鳩尾に膝打ちをかましてやると男は大人しくずるずるとしゃがみこんだ。
素早く中を見渡すと、ざっと三十人程年齢は様々だったが男たちが居た。そのうちの半分以上は隼人にやられたんだろう、地面に転がっている。
「おう、戒来たか」
と隼人はのんびりしてるけど、隼人のすぐ後ろでロープのようなものを持って隼人に近づく男に回し蹴り。
「お前!この状況でのんきに戦ってる場合やないで!はよ片付けぇや!」
お前なら十分もあれば十分だろうが。でも隼人はこの状況を楽しんでいるように見えた。
ちっ!こっちは朔羅の様子が心配なのにいい気なもんだぜ。



