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** 戒Side **
朔羅を連れ去った車がものすごい勢いで遠ざかっていく。走って追いかけたが到底追いつけるスピードじゃない。
「くっそ!」
膝を叩いていると、同じく車を追いかけてきた響輔が隣で電話をしていた。
「何してんや」
「通報です。ナンバーは記憶しているので」
流石だぜ。だがサツにどこまでできるのか。相手は間違いなく筋者だ。朔羅の身が危険だ。一分一秒でも惜しい。
そこへ、黒いSUV車がかなりのスピードで近づいてきて俺たちの所で停まった。
何だ!?追手の車か!?
助手席側のパワーウィンドウが開いて
「乗って!」と心が怒鳴った。
「心?何でお前が」
「いいから!朔羅ちゃんを乗せた車は隼人が追ってる。隼人の車のGPSを追って行けば辿り着く筈や」
ナイス!対馬姉弟!普段は面倒な奴らだが助かったぜ!
俺たちは心に言われた通り心の車に乗り込んだ。
隼人の車のGPSを追って着いた先は郊外にある小さな廃工場のようだった。
「ここは二十年程前閉鎖されていて、今現在は中尾組の名義になってますね」響輔がタブレット端末を開いて調べている。
「中尾組ぃ?あの淫行コーチが出入りしてたって言うあの?」
「そのようです。どうやらあの下衆野郎は中尾組の連中にカネを渡し、新垣さんを最初さらうつもりだったんでしょう」
だけど連れ去れたのは朔羅だ。
中尾組の連中は新垣 エリナの顔を知らなかったとみえる。
やることが生ぬるいぜ。
龍崎組だったら、そんなこと絶対ない。
それ程頭が回らない連中で助かったが、中に何人いるのか分からない。



