『いぇ…夢かと思って…』 「夢ではない。…刻印が濃くなっているな」 気付いたときには、刹那様はもう私の目の前に来ていた。 美しい顔が今、目の前にあるのだ。 刹那は、くりすの首筋にある刻印を愛おしそうに触れた。 ―その瞬間 何かが私の身体のなかで動き出す。 身体が疼く…っと言った方が正しいかもしれない。