「…でも、刹那様？この華人に千華のこと、何も教えていないじゃないですか」


そう言い、笑うマリカさんに目が離せない。



「……それが何だ？お前…俺に消されたいのか？」



私に向けられた訳ではないその言葉に、声の低さに、冷たい瞳に…ｿﾞｸｯと背筋が凍ってしまう。


マリカさんも同じらしく、顔の色が青白くなり、顔が引き攣っている。



「…くりす。俺の所に来い」


先程とは違い、優しい声で、優しい瞳で囁く刹那様に。


私は、迷いなく刹那様の元へ近づいた。