「千華は…」 ―バン 女の人が再び口を開いた瞬間、扉が開く。 「やはり……此処だったか」 そこに、いつも聞き慣れている優しいけど少し冷たい声が聞こえた。 「あら、刹那様。よくお分かりですこと」 「…あぁ。俺を誰だと思っている?…マリカ」 女性の名前はマリカらしい。 刹那様の凄まじい殺気がマリカさんに向かっている。 こんな刹那様を見たのは初めてで。 初めて、怖いと感じた。