『…分から、ない…わ』



声が震えて上手く喋れない。


分からない。

だけど、私の記憶に張り付いているあのヴァンパイアの姿を思い出すと…



私の記憶は不完全だ。

お祖母様の言葉を思い出せないもの。



「フフッ……まぁ、知らなくても仕方ないわね。……“残酷”ですもの、ね?」



『……え?』