「絶対に私のことを否定しないこと。」




それが、萌と友達になってあげる時に交わした約束、条件だった。



その条件を出したのは中一のときだったのに、高二になった今でも、萌はその条件を守っている。



まぁ、破ったら友達は終わりだけど。




「ゆなちゃん、おはよう。」



「うん」



今日も私は萌に素っ気なく当たる。




「うん、おはよう。」




それでも萌は嫌な顔ひとつしない。




「何回言うのよ。」




どれだけきつく当っても、




「あはは、ごめんね」




五年間私から離れない。



私にとっちゃ都合がいいけど、萌は私といても楽しいはずがない。



なのにどうしてずっと私のそばにいるのか、私が私じゃなかったら、私なんかのそばにいたくない。