菊ちゃんは話を聞いた後、怒りと困惑の顔色をしていた。


それはそうだよね…、お姉ちゃんの結婚というおめでたい事が身内によって破棄されるなんて……怒って当然だよ。


私は信玄さんの考えがわからなくてただただ松さんの背中をさすってあげるしかできない。


でもこの世界で何もできない自分が1番嫌だった。


「松と結愛さんは、御料に戻っていてください。御館様がいつお戻りになるか分かりません。菊、2人についていてください」


菊ちゃんは頷くと私と松さんを御料へ連れていってくれた。


御料へつくなり、松さんは泣き疲れてしまったのか、すぐに眠ってしまった。