ガッツポーズをして、テンション高くそのまま俺の隣に座り込む。
まったく。
美森は、同じサッカー部の二年生、東先輩が好きで好きで。
でも、告白出来ないチキンで。
俺を使って、東先輩と同じクラスの瞳真くんに彼の動向を聞き出すというスパイな手口を使ってくる。
セコいヤツ。
…でも、前の学校だったら、こんなにも女子と友達のように接するとかなかった。
まさか、女子の恋愛相談にのるなんて。
男女の友情ってあるのかもしれないと初めて思えた。
そう思うと、このテンション高いウザい女の相手もまあいいかと思えてくる。
美森の登場で、先程の思考がぶっ飛んだ。
出していたスマホをポケットにしまう。
きっと、空耳だよな?
考えすぎで…。
何が起こったワケでもない。
報告することじゃ…ないよな?
…しかし、さっき。
何て聞こえた?
《…がいの………んて…ないの…》
(………)
あなた以外の。
人なんていないの。
(…えっ?)
何で…俺、わかるんだ?
あの途切れ途切れだった微かに聞こえた言葉を。
何で…何を言ってるか。
わかったんだ…?



