「伶士、今度なずぽよに何の格闘技やってるか聞いてみて」
「…はっ?!な、な、何で俺が!」
「何で慌ててんの。だっておまえ、なずぽよとクラス隣じゃん。イケメン伶士が問いただせばどんな女も口割るんじゃね?」
「口割るって…」
俺は刑事か。
…じゃなくて!
不覚にも、鈴代の話を振られて体をビクッとさせられてしまった。
鈴代なずなは、陰陽師で。
悪霊に襲われた俺のボディーガードになるようです。
なんて、まさかまさか言えるか…。
っつーか、どっちにしろ聞けるか!
昨日初めて喋ったというのに!
「瞳真くんが聞けばいいんじゃない。イケメンが口を割ることを出来るなら、瞳真くんにも出来るだろ」
「えー。ギャル苦手だから無理」
「苦手なこと人にやらせる?!」
「…おぉーい!伶士!水口先輩!練習始まりますよー!」
「瞳真!橘可愛いからっていじってんじゃねー!」
「はいはい」
二人で口論しかけると、周りの部員に遠くからガヤられてしまった。
瞳真くんは向こうの方へ行ってしまう。
本っ当に。
わかんない人。



