「今日はフレンチ焼き鳥!白ワインと合うんだよー。美味かったぜー?」
「ふーん。誰と…」
「大学のやつら。女子大の子も連れてきてもらってさー?可愛い子いたんだよねー?LINE交換してくれてさー?」
合コンというやつですか…。
と、喋っている間にも兄貴のスマホは音を鳴らし続けている。
「はいはい」と言いながら着信に出た途端。
「おぉー!今日はありがとねー!…うん、うん。…お、熊本の馬刺し?美味いとこ知ってるよ?今度は二人で行く?いつ空いてる?…明後日?よし、行こう!」
など、マシンガンのように畳み掛けて喋りまくる。
これは…女か。
この、女好き。
(………)
「兄貴…」
兄貴が通話を終えて、スマホを耳から降ろす。
「ん?何?」と、スマホの画面を見つめながら返事をしてくれる。
横顔は、相変わらずイケメンの一言だ。
髪も、あの菩提さん並みに派手色で、きっちりとセットされている。
服も高級ブランド一色で固められて、オシャレで雰囲気がある。
「薫とは…どうなってんの?」
意を決して投げ掛けた質問だが。
「…ん?…どこのかおるちゃん?…いやいやそれより店予約…」
…やはり。



