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時は経って、11月も半ば。

とある日曜日に。

俺は…とある場所へやってきた。




「…うぅーっ、寒い!寒い寒い!海風寒いぃぃ…」



ご存知、俺のボディガード。

なずなと。



「ハマがこんなに寒いって聞いてねえー!」

「もう11月なんだぞ?そんな薄着で来るか?」



無理もない。

なずなは、薄手のコートに、黒いニットワンピースに、ロングブーツ。

そして、生足…。



積丹の海に行くぞ。

そう、行き先ちゃんと告げたんだから、それなりの服装で来い。



しかし…俺が誘ったので、そう強くも言えない。





…先日。

あの鹿畑倫子さんが四十九日を終え、積丹の海に散骨されたことを、母さんから聞いた。

積丹の海への散骨…彼女の遺言だったそうだ。



母さんは、積丹へ赴き、手を合わせて花を添えてきたという。

親父を誘ったが「絶対行かない!」と頑固に言い張ってしまい、忠晴と二人で行ってきたそうだ。

『もう…過去のことなんだから、いいじゃない』と、母さんは呟くが。

不倫相手に手を合わせるなど、親父のプライドが許さないのか、母さんへの気配りか。