「王子様もよう遊んでますなー。さわやか自然百景な顔して。まつ毛フサフサだとモテるんかい。つけまつ毛いらず、うらやましっ!こっちの夜はこっちの仕事仕事で遊ぶ暇ないっちゅーねん」

「…だから、さわやか自然百景って何だ!」

「じゃあ、次の質問」

「は、はぁっ?!」



すると、鈴代なずなはぐいっと前に身を乗り出して、俺の顔を覗き込んでいる。

近付けられた顔は、濃いメイクだが…綺麗な美人な顔立ちで。

不覚にも、ドキッとしてしまった。

慌てて逸らした視線の先には、左耳の宝石のようなピアスが目に入る。



「…今、ムラムラしてる?」

「え…」

「女とヤリたいなー?とか、すごい思っちゃう?」

「はっ…!」



またまた、固まらされてしまった。



…この女ぁぁっ!



「…あるか!そりゃ男だし…じゃない!あるか!あるか!てめえぇぇっ!」



今までの暴挙と怒りが蓄積してしまったのか。

思わず立ち上がって、怒声を飛ばしてしまう。

対する鈴代は「わっ」と、顔を引っ込め体を自席に戻していた。