《ああぁぁ…何よ、あんたっ…ああぁぁ…》
「…仕事柄、あんたみたいなのいっぱい見てる。裏切られました、捨てられたと嘆く悲劇のヒロイン」
《何よっ…何よっ!小娘のくせにっ!…ああぁぁ…》
「…そう。私は16年しか生きてない小娘だから、大人の事情なんてわかんない。しゃちょーも罪な男だな?ぐらい。婚約者いるのに愛人作ったり、愛人捨てて結局婚約者と結婚したり」
《な、何よっ…何よっ!何が言いたいのよっ…》
小娘に偉そうに意見されることに反発しているのか、鹿畑倫子さんは涙でぐちゃぐちゃの顔でなずなをキッと睨み付けた。
しかし、なずなは動じずに話を続ける。
「…でもさ。それが『結果』なんだよ。現実なんだよ。あんたは捨てられた。でも…」
《…ああぁぁっ!》
事実をバッサリ告げられた鹿畑倫子さんは、返す言葉もないのか、ただ泣き叫ぶだけだった。
随分はっきりと切り捨てるな。
…だが、話はそれで終わりじゃない。
「捨てられたって、悲劇のヒロインになって過去しか見てなかったら、前を向けない。でないと、そこらに転がってる幸せを見つけられないじゃんか」



