そして、久々にかかってきた電話では。
『ごめん、しばらく会えない』
と、一言だけ告げられる。
なぜ、会えないのか?
彼は詳しい事は話さずにいた。
何で…何で?
…いや、仕事が忙しいんだよ、きっと。
彼は未来の社長だし、出張もあるって言ってたし。
もしもの事は…考えない。
だって、彼には私しかいないもの。
こんなにも、彼をわかっているのは、私しかいないのよ?
私以外の誰か…もしくは、彼の神経を逆撫でするあの婚約者とだなんて、あるワケがない。
今までに味わった特別な優越感が、彼への独占欲を高めていた。
彼を…信じてる。
しかし、初雪を迎える頃には、連絡すら来なくなり。
雪が深い時季には、私は…一人だった。
…そして。
私達の関係が始まって一年が経とうとしていた頃。
信じていたけど、どうにもならなくて、待ちきれなくて。
彼に…電話してしまった。
久しぶりの彼の低い声を耳にして、ささやかに感激したけれども。
その愛しい声からは。
聞きたくなかった一言を告げられる。
『ごめん…もう、終わりにしてほしい。もう、会わない』



