あれだけ楽しみにしていた積丹への旅行も、彼はどことなく上の空だったと思う。
彼の運転で車に乗って。
初めて、箱の外で過ごす私達の時間。
晴れていて、海はとても綺麗で、楽しかった。
初めて、二人で見る景色がそこにあるのに。
隣で彼は笑いかけてくれているのに。
夜は、たくさん求めて愛し合ったのに。
でも、彼がどこかへ行ってしまうようで、気になって気になって仕方なかった。
行かないで…ね?
どこにだって、私と一緒じゃなきゃ嫌よ?
だって、一緒に本当の幸せを探すんでしょ?
それに幸せは私達の間にあるんだもの。
あなたといられるから、私は幸せなの。
一度だけ…彼の婚約者という人と一緒にいるのを見かけた。
とても、美人な人。
綺麗で、上品で、スタイルも良くて。
彼と並ぶと、とても絵になった。
そりゃ、私は綺麗とか美人なタイプではないけど。
でも、あなたをわかっているのは…私だけ。
私だって、あなたしか見てないのよ?
だから、行かないでね…?
…だけど。
夏が終わり、暑さも消え失せて。
秋の風が吹いて、寒さを少しずつ感じるようになる頃。
彼からの連絡が、少しずつ途絶えてきた。



