海が…見たいな。
『…は?海?ハワイ?』
行けるワケないでしょ。
違う。
私が見たいのは、積丹の海。
積丹ブルーっていうでしょ?
碧い海が見たいな。
『へぇ?…それなら、行く?積丹、泊まりで』
え…いいの?
『あいつ、夏休みには実家帰るんだってよ?それに、積丹なら知り合いに会わないと思うし?』
嬉しい…。
夏が待ち遠しくなる。
箱の中にいる時は、季節なんて気にしなかったのに。
それから、少しずつ季節が移り変わっていき。
春の日差しはどんどん増していき、緑は生い茂り、待ち望んでいた夏になる。
…幸せは、ずっと続くと思っていたのに。
夏が近付くのを感じては、私は心を躍らせていたのに。
彼は…ボーッとする回数が多くなった。
心ここにあらず、みたいな。
何かあったのか、心配になる。
『…あ、いや。何でもないよ』
気を遣って、笑顔を見せてくれる。
気を…遣わなくていいのに。
私にだけ、話してよ。
…そういえば。最近、婚約者や父親への愚痴が減った。
彼に何が起こっているのか、わからない。



