『俺にそんな天然記念物みてえな女を宛がうなんて、親父の嫌がらせとしか思えねえ』
『オドオドしてるし、言いたいこと言わねえし、すぐ泣くし…あぁっ!もう嫌だ!』
『…でも、親父には逆らえない。子供は兄貴が死んで俺だけだし…わかってる。わかってんだけどよ…!』
まあまあ。と、宥めるけども。
彼がそんな愚痴をこぼせるのは、私の前でだけ。
…これも、優越感に浸らされる。
『俺は、ずっとおまえと一緒がいい…倫子っ…』
散々激しく愛し合った後でも、彼は私の体を触りながら、甘い言葉を囁いて、キスをする。
うん、私も。
私も、あなたと一緒じゃなきゃ嫌よ。
あなたには、私しかいない。
私も、あなたしか見てないのよ。
誰にも祝福されることのない、この秘め事の愛は。
私達にしか、わからない。
私達だけのもの…。
愛してる?
結婚しよう?
…そんなものは、ない。
でも、激しく求めあって、愛し合って。
私達が一緒にいることの『幸せ』を確認し合うことが出来れば、それでいい。
それが、本当の幸せ。
私は、幸せ…。



