「…死ぬ前にもう一度、一目で良いから会いたかったんだって…?」
まだ、静かに笑い続けていた。
口元まで押さえている。
「橘社長との子供…欲しかったんだって?…ずっと、ずっと想い続けてたんだって?…で、あまりにも想いが強くて、生き霊になってた…」
…その、さっきから笑い続けているけど。
何がおかしいんだ…?
「…だから、力を貸してあげたんだよ?…橘社長に会えるように?でも……」
そう言って顔を上げ、こっちを見る。
前髪から覗く瞳と目が合うと、ゾクッと寒気が走った。
生気の通ってない、血走った殺気を振り撒いているかのようで。
「…橘社長は『あの男』に守られているから、ガードは固い…だから、その橘社長の可愛い息子を襲わせた…」
「何でそんなことをした?…何でそんなことをする必要があった?!」
黙っていたなずなだったが、堪えきれずにとうとう口を開く。
その反応が面白かったのか、男性はまた声をあげて笑った。
…しかし、その返答は。
理解不能で、恐怖すら感じる。
「…え?…単に面白いからだよ?」



