それは…!
「…これが、橘家の玄関に落ちてた。…まさか、あんたがこの件に絡んでるなんてな…?」
なずなの手には…小さな黒い羽根。
…それは、俺も知っている。
夢の中で、見た。
先ほどまで、俺の体にまとわりついていた…小さくフワッとした、黒い羽根。
まさに、布団の羽毛を黒くしたようなものだ。
すると、男性は今度は声をあげて笑い出す。
「あはは!…ついつい、コントロール出来なくてね?」
「ふざけてんじゃねえぞコラ…これまでの不可思議なこの一件、おまえが絡んでいるという話なら、全てが納得いく…」
なずなの声が…震えている。
怒りを抑えても、抑えきれない。
そんな様子だ。
「…へえ?」
「おまえ、あの女性に…あの鹿畑倫子さんに何をしたんだ!」
ムキになって声を荒げるなずなを、彼はまた鼻で笑う。
「…鹿畑倫子?…そんな名前だったんだ?あの女の人」
思い出し笑いをしているのか、肩が縦に揺れている。
何でそんなに笑ってるのか?
端から見てたら、良い気分にはならない。



