そんななずなに苦笑いさえも出てしまったが。
…その時。
不意に、全身にゾワゾワッと寒気が走る。
体がズシッと重くなり、またあの…気持ち悪い感覚が襲ってきた。
な、何…?
辺りを見回す。
「………」
なずなも渋い顔をしている。
先ほどのイタズラな表情はとっくに消え失せていた。
…この感覚、なずなも感じたのか?
『…さすが、音宮の連中は仕事が早いね?』
どこからともなく、男性の声が響いていた。
…しかし、この細く儚い声を耳にしてゾクッとさせられたのは言うまでもない。
この声は…。
《…また、会えるよ…?》
夢の中に出てきた、あの男性の…?
な、何で?
何で、夢の中に出てきた人の声が、現実に…?
俺の傍にいるなずなは、ちっと舌打ちをする。
「この一連の件は…おまえの仕業か」
すると、足音が聞こえてきて。
やがてそれは近付いてくる。
…そして。
薄暗い室内の陰から、ゆっくりと姿を現した。
(あっ…!)



