それから、そんな事を頭にチラつかせながらも、二人でいる時間を過ごした。
ワイドショーがひとつ終わると、また違うワイドショーが始まる。
そんなワイドショーの繰返しを延々と見ているだけの時間だった。
「アメリカの大統領、バイタリティあるなー?次も再選だわこりゃ」
「そうか?ばらまきで支持率あげてるだけじゃねえ?」
「世の中、金なのでございます!」
たまーに、内容についてコメントしたり。
なずなはゴロンと横になり、すっかりくつろいでやがる。
絵に描いたような怠慢グータラおばちゃんのようだ。
「…あら?仲良いわね?」
昼過ぎに、忠晴が作ってくれた鍋焼きうどんを、なずなと二人並んで食べていると。
そこへ、母さんが家に帰ってきた。
俺達の様子を見て、意味ありげな視線を向けて「うふふ」と笑っている。
な、何を考えてるんだろうか。
まさか、そんな目で見てるんじゃねえだろな。
なぜか気まずくなってしまう。
「奥様おかえりなさいー。今日はお早いお帰りですな」
そんな視線を向けられていることに気付いてないのか、なずなは普通の態度だ。
それもなんか…複雑なんだけど。



