俺のボディガードは陰陽師。



愛人が生き霊となって追いかけてくるぐらいなんだ。

親父は母さんより、その人のことを愛していたのか?とか。



考えれば考えるほど、キリがない。

考え込んで無言で俯いてしまう。




「…さっきのしゃちょーの話、ショックだったのか?」

「………」




なずなには、俺が何を考えているかわかっているようだ。

でも、さっきの話も、ショックを受けていることも認めたくなくて、頷きもしなかった。




「…大人ってさ、いろいろあんだよ」

「…いろいろ?」




ついその言葉に反応してしまい、そんなセリフを投げ掛けてきたなずなを横目で見てしまう。




「私さ、仕事柄いろんな男女の恋愛のもつれを見てるけどさ、大人になると理屈では現せないことがあるんだよ」

「…何だよそれ」

「変なところで理性が働いたり、ダメなところで本能剥き出しになっちまったり。大人だからってみんなモラルを持ってるかっていったらそうじゃない。…むしろ、大人の方が子供より聞き分け悪いかもなぁ」

「…そうなの?」

「うん。大人なのに、子供より悪いじゃんって人、結構いるよ?…みんながみんなってワケじゃないけど」